90.
第十四話 新人王決定!
本戦でも2人は変わらず順調に勝ち進んだ。
マナミは持ち前の攻撃力でどの距離からも攻め続けて圧倒し、ミサトは得意の守備で失点を最小限に抑えて親番のみ一気呵成(いっきかせい)に攻めて勝ち抜いた。
「2人とも上手いなあ」
《そうですね。それに牌の巡り合わせもいいですね。2人とも決勝に行くんじゃないですか》
womanの予想は的中した。
決勝卓進出者
諏訪翔太(すわしょうた)プロ5年目
河村弘(かわむらひろし)プロ2年目
財前真実(ざいぜんまなみ)プロ1年目
井川美沙都(いがわみさと)プロ1年目
(未来予知まで出来るの?)
《たまたまですよ》
天下分け目となったのは接戦のまま迎えた最終戦南2局。上家のもう親番のないトータルラス目の諏訪から6巡目に先制リーチが入った局だった。
「リーチ!」
諏訪手牌
①②③12345679白白
この手、リャンメンを拒否して作ったこの一気通貫をアガることが出来れば優勝条件が現実的な点差となる位置で次局を迎えられる大切な局面。諏訪はプロ入り5年目だ。今回が新人王戦へ参加出来るラストチャンス。その想いがこの手牌に込められていた。
(なんとしても。なんとしても!)そんな願いがリーチ宣言牌の6索から聞こえるようだった。
一方、ミサトは親でイーシャンテン。
ミサト手牌
三三伍六七②③④⑥⑦⑦24
7巡目
ここにツモ5と引いた。
ドラは七
93.第三話 間違った空切り その日、カオリはプロの動画を見て勉強していた。それを一緒にwomanも見る。二三四78889白白(③チー④⑤) ドラ伍 その動画ではプロはこの手を③リャンメンチーしていた。《……何を焦っているんでしょうか》(わからないけど、とりあえず私の麻雀とは違うわね) ここになんと4枚目の8を引いてくる。それをプレイヤーは空切り※した。(カンでもした方がマシなんじゃないの?)《いえ、これは8索切りです。しかし、空切りはいただけませんね。8索はツモ切りの一手でした》(そうなの? 私、ちょっとどんな時に空切りだと良くてツモ切りだとダメとかまだ難しくて分からないんだけど)《そう言う時はイメージするんです。どんなストーリーならアガリを取れそうか》(ストーリー?)《そうです。必ず相手目線になって考えて。例えばコレならアガるためには白があと1枚必ず必要なわけですから、それを相手が持っていると仮定してツモ切りと空切りのどちらだと鳴けるだろうか? って考えてみましょう》(えっとー、空切りってのは相手から見たら手出しなわけだから要するに手が進んだように見えるわね。比べてツモ切りは前進していないのだからツモ切りの方が白を切りやすいわ)《そう言うことです。空切りは”それ以前の安全牌が安全ではなくなるという良さ”は確かにありますが、この場合はまず大前提として役牌が打たれやすい場にしないといけませんので可能な限りツモ切りをしましょう。こういう役牌が鳴けないとどうにもならない場合は安牌をクルクル交換したりするのも厳禁です。目的の役牌を鳴けるまでは全然手が進んでいないことをアピールしていきましょう》(なるほどねー。ちょっとわかったわ。麻雀って複雑ね)《だから面白いんですよ》
92.第二話 ノモノモの国士無双 一方、麻雀部はというとカオリ、マナミ、ミサトがプロになっただけでも誇らしかったのにミサトは新人王。ユウはプロを押しのけてのUUC杯優勝という快挙を成し遂げていて麻雀部部室(スグルの部屋)には2つの優勝カップが飾られた。「スゴイわ~。先輩たち」と野本ナツミは感動した。「ミサト先輩なんか全然放銃しないのに攻撃力も備えていて本当に強いのよ」とヤチヨが言う。「部長も強いですよね。勘がいいというか。誰にも真似出来ない強さです」 優勝2つの横にマナミの新人王戦3位の盾も輝いていた。3位だってたいしたものである。「さて、今日はみんなで野本さんに『雀ソウル』の3人打ちを教わろうということで、野本さんの麻雀をモニターに映してみんなで質問していきましょう」 ……とは言え、みんなそれほど下手なわけではないので野本ナツミが教える程のことはもうあまり無かった。この局を除いては。三人半荘戦東1局は親(CPU)が南家(CPU)から3900を取り、続く東1局一本場は西家(ノモノモ)が8000は8200を親から出和了る。そして迎えた東2局4巡目ノモノモ手牌九①⑨129東南南西北白発 中ツモ「はいテンパイしました。ここで問題です。この手はリーチしますか?」「リーチで牽制しておいたほうがいい気がするなあ。足止めしてアガリを拾う! 私はリーチで」とヤチヨ。「私もリーチかな。無視されたくないし」とヒロコ。「一萬は1枚切れだしツモれそうよね長引かせたいし私もリーチで」とユウも同じ意見だった。「カオリ先輩はどうですか?」とナツミが聞いてみた。「えっ、私。私
91.ここまでのあらすじ 麻雀部には今年も新1年生が加入。1年生、野本ナツミは三人麻雀に長けていた。今まで研究していなかった三人麻雀の戦術を野本から学んでいき麻雀部はさらに強くなっていく。 一方、新人プロたちは新人王決定戦に参加。激戦の末に井川ミサトが新人王のタイトルを獲る!【登場人物紹介】財前香織ざいぜんかおり通称カオリ主人公。女子大生プロ雀士。読書家で書くのも好き。クールな雰囲気とは裏腹に内面は熱く燃える。柔軟な思考を持ち不思議なことにも動じない器の大きな少女。その右手には神の力を宿す。財前真実ざいぜんまなみ通称マナミ主人公の義理の姉。麻雀部部長。攻撃主体の麻雀をする感覚派。ラーメンが大好き。妹と一緒に女子大生プロ雀士となる。ラシャの神に見守られている。佐藤優さとうゆう通称ユウ兄の影響で麻雀にハマったお兄ちゃんっ子。誘導するような罠作りに長けている。麻雀教室の講師になることが夢。竹田杏奈たけだあんな通称アンテーブルゲーム研究部に所属している香織の学校の後輩。プロ棋士のいとこ。佐藤卓さとうすぐる通称スグル佐藤優の兄。『富士』という雀荘の遅番メンバー。萬屋の右腕的存在。自分の部屋は麻雀部に乗っ取られているが全く気にしていない。井川美沙都いがわみさと通称ミサト麻雀部いちのスタミナを誇る守備派の女子大生プロ雀士。怠けることを嫌い、ストイックに生きる。中條八千代なかじょうやちよ通称ヤチヨテーブルゲーム研究部所属の穏やかな少女理解力が高く定石を打つならコレという判断を間違えない。三尾谷寛子みおたにひろこ通称ヒロコテーブルゲーム研究部所属の戦略家ゲームの本質を見抜く力に長けていて作戦勝ちを狙う軍師。倉住祥子くらずみしょうこ通称ショウコ竹田アンナの同級生。ややポッチャリ気味の美少女。見た目通り、よく食べる。学力は高く常に学年上位だがそんなことには全く興味がない。天才肌。浅野間聡子あさのまさとこ通称サトコショウコの親友。背が高くてガッチリした体格。中学時代はバレー部で活躍したが高校からは料理研究部に興味を持ち運動部はやめることに。運動神経よりも戦略や読みで活躍する頭脳明晰な元セッター。womanカオリにだけ届く伍萬の付喪神の声。いつも出現するわけではなく、伍に触れた時
90.第十四話 新人王決定! 本戦でも2人は変わらず順調に勝ち進んだ。 マナミは持ち前の攻撃力でどの距離からも攻め続けて圧倒し、ミサトは得意の守備で失点を最小限に抑えて親番のみ一気呵成(いっきかせい)に攻めて勝ち抜いた。「2人とも上手いなあ」《そうですね。それに牌の巡り合わせもいいですね。2人とも決勝に行くんじゃないですか》 womanの予想は的中した。決勝卓進出者諏訪翔太(すわしょうた)プロ5年目河村弘(かわむらひろし)プロ2年目財前真実(ざいぜんまなみ)プロ1年目井川美沙都(いがわみさと)プロ1年目(未来予知まで出来るの?)《たまたまですよ》 天下分け目となったのは接戦のまま迎えた最終戦南2局。上家のもう親番のないトータルラス目の諏訪から6巡目に先制リーチが入った局だった。「リーチ!」諏訪手牌①②③12345679白白 この手、リャンメンを拒否して作ったこの一気通貫をアガることが出来れば優勝条件が現実的な点差となる位置で次局を迎えられる大切な局面。諏訪はプロ入り5年目だ。今回が新人王戦へ参加出来るラストチャンス。その想いがこの手牌に込められていた。(なんとしても。なんとしても!)そんな願いがリーチ宣言牌の6索から聞こえるようだった。 一方、ミサトは親でイーシャンテン。ミサト手牌三三伍六七②③④⑥⑦⑦247巡目ここにツモ5と引いた。ドラは七
89.第十三話 新人王戦本戦開始「マナミとミサトは通過したわね! 凄いじゃない! 3人中2人が予選通過なんて。ざっと数えても100人いるうちのベスト16よ? たいしたものだわー」とメグミが私たち麻雀部を褒めてくれた。「ありがとうございます♪」「カオリも惜しかったわね、19位だってなかなかのもんよ。新人とは言え全員プロなのにその中での19位は悪くないわ」「はい、ありがとうございます」(って言われても、やっぱり悲しいわ。せっかく来たチャンス手をズルしようとしたせいで自分で潰して…… 挙げ句放銃だもの。最低よ)《もう、これ以上自分を責めるのはやめなさい。あなたは自分で自分を律して自力で勝とうとしていたじゃないですか。私の助言はいらないって言って。偉いですよ。カオリはそれだけで充分偉い。これ以上落ち込むのは許しませんよ。ね、神がもういいって許してるんです。カオリ。いい加減自分を許しなさい》 珍しくwomanが饒舌になるのでカオリは従うことにした。神さまにこんなに心配させちゃいけないな。と思ったのだ。 さて、来週行われる本戦は広い会場で行われ見学自由だ。もちろんカオリもメグミも応援に行くと言いたい所だが『ひよこ』のオーナーがなんと言うか。最近休みをもらってばかりだからたまには出勤しろと言われたらそれまでだ。だが。「いいよ、カオリちゃんはおれの分も応援してきて!」と快く許可してくれた。しかし、メグミは『ひよこ』に出勤してと頼まれていた。「ありがとうございます!」 カオリはマナミとミサトの自分とは違った強さを持つ麻雀を勉強させてもらおうと思った。普段の部活動では見れない本気の2人を見たい、と。《勉強熱心ですねカオリ。私から見たらレベルは3人の中ではカオリが1番高いですよ。まあ、もとから優秀な佐藤ユウさんにはまだ敵いませんが》(ええ? そんなわけないよ)《いいえ、確かです》(ほんとにぃ?)《相手の力を知るには相手より強いことが条件です。自分より強い人の力は計れないんです。なので私は神さまですからほぼ全員わかるし。カオリだって少しずつ相手の力量がわかるようになってきてるはずですよ》(ええ? わかんないよそんなの)《いずれ、分かる日が来ます。あと、自分のことを強いと見抜かれたら気をつけることです。その人はきっと、カオリより強いから》(それは、大丈
88.第十二話 ストレス最高潮 四回戦はマナミが少し不調だったが耐える麻雀でギリギリ2着を確保して予選通過するであろうポイントをキープした。 ミサトはしっかりとした守備を固め、自分らしい麻雀を打ち、チャンス手のみ押して勝ち切った。多分ミサトも予選通過しただろうと思われる。 問題はカオリである。先程の半荘でチャンス手を自ら2000 に仕上げてからというもの2000の呪いでもかかったかのように2000点しか張らなくなった。手が悪いというわけではないのだが、最後には安目で2000という仕上がりに必ずなってしまうのだ。(なんなのもー。このド安めのオンパレードは!)《ま、アガれるだけマシですよ》(そうは言ってもねえ、もう四回戦なんだよ? チマチマ刻んでる場合じゃないのよ)《確かに、ちょっとマズいですよね》 絶対に大きなトップにならないと予選通過できない四回戦でのんびりやってる場合ではないのだが、どうにも上手く行かずカオリのストレスは最高潮まで達していた。 と、そこでついに来た勝負手。カオリ手牌三四伍六六七七八②③666 ④ツモ ドラ6 シンプルにドラを切り出してのピンフ取り二-伍-八は残り4枚しかないがピンフを崩して七を切り出す三-六-九に受ければ8枚残りのチャンス手だ。(へへ、やってやる。もー、やってやるモンね!)《あ、まさかカオリ》「リーチ!!」打6《あちゃー、この子はもう!》「ロン!」二三四③④⑤⑤⑥⑦2257 6ロン「2600」 そう、カオリはもうストレス最高潮で特殊スキルの『オーラの力で伍萬引き』を発動させるつもりだったのだ。久しぶり過ぎてみんな忘れているかもしれないが、財前カオリは伍萬の付喪神の加護を受けているので気合いを入れるとオーラの力で伍萬を引き寄せてしまうのだ(もちろん山に残っている場合に限る)そして、そんなことしようとしたから本来出ない牌切って対面のダマに放銃。完全に自業自得であった。《まったくもう、カオリったら》(ごめん)《仕方ないですね、そんな人間らしいズルいことに流されてしまう一面も、かわいいです。でも、もうこんな不自然な選択はしないですよね!》(うん、ごめん。もう、2度とやらないから)《それならいいんですよ》 こうして、カオリの新人王戦予選が終わった。予選2位通過 財前マナミ予選6位
87.第十一話 いざ、新人王戦へ! 今日は新人王戦予選。新人プロに最初に訪れるチャンスがこの新人王というタイトルだ。当たり前だがベテランプロは参加してないしアマチュアもいない。新人(とは言ってもプロ入り5年までは新人王になるまで参加可能)しか参加してないタイトルでありながらそれなりに注目されるし、賞金も出るし、他タイトルへのシード権も手に入る。かなりおいしい大会だと言える。 この大会に向けて大学生組は佐藤家に合宿のように集まって少しずつ仮眠を取りながら当日の朝まで特訓していた。脳の働きはしっかり寝た寝起きよりも使い続けている最中の方がいい。車のエンジンのようなものだ。休ませるより使い続けてる時の方がいい。「じゃあ行ってらっしゃい。3人とも頑張って優勝するのよ」とユウが言う。アマチュアのユウはこの大会には出られないから見送るだけだ。「無理言わないで。優勝は1人しかしないものよ」「そうか」「でも、予選落ちだけはしないように頑張ろう」 新人王戦は予選を半荘4回で行い。上位16名が別日の準決勝へと進み準決勝卓は半荘2回でトータル1位が勝ち上がり。決勝戦は準決勝の各卓トップが半荘3回やる仕組みだ。 はっきり言ってほとんどの人は予選落ちする。毎年100人以上が参加する大会なのである。しかし、この新人王戦で成田メグミは2度の準優勝をしているのだから成田の実力も侮れない。「じゃあ行ってきます!」 3人は佐藤家から出発した。いざ、新人王戦へ!────── ミサトとマナミは大会一回戦二回戦を順調に勝ち予選突破の勢いを見せていた。カオリも悪くない成績ではあった。しかし、三回戦カオリはミサトと同卓になってしまう。(ミサトと対局か…… ついてないわ)《仕方ないですよ、いつも通りやるしかありません》(
86.第十話 延命ポン 昨年度よりプロ麻雀師団はルール変更を行い、今までは採用していなかった持ち点ゼロを割ったら終了というルールをリーグ戦で採用することになった。これを通称『飛び終了』と言いフリー雀荘なら100%採用しているルールである。そのほかにも2人同時にアガリになった場合のルール『ダブロン』も採用した。 どうやら競技者(プロ)たちもフリー雀荘に沿ったルールにしておくべきであるという結論になったようだ。フリー雀荘と似通ったルールでやってこそ『プロは強いな』という話になるのだから。特殊なルールのサークルでてっぺん取ってもしょうがないのだ。 それに、飛び終了ルールは麻雀に戦術の深さを与えてくれる。つまり、見逃しや直撃狙いという条件作りだ。これを上手く計算して勝ち切る人こそが本物の強者だと言える。 そんなわけで、飛び終了のルールがある四回戦。ミサトはメグミの東場の猛連荘で飛ばされる寸前まで追い詰められていた。南2局一本場15巡目にミサトはこの手。ミサト手牌二三四③④22666(777)200点持ち ドラ二 ミサトは断ラスで現在は北家。2000点テンパイ中だ。 トップ目は上家のメグミでなんと72300点! メグミは数巡前からテンパイ気配。打点は分からないが大ピンチではある。 場にはソーズが多く切られており2索で待てるテンパイが組めたら強いと思って作っていたがそうもいかなかった。 ここに対面から2索が切られる。「ポン!」 そう! これは絶対にポンして打6だ。上家(メグミ)のツモ番をこの一瞬だけでも遅くするべきだからだ。 都合の良いことにソーズは全員に安全性の高い場面なので刻子と対子を切り替えるのに何のリスクもない。 ほんの一瞬の、でも確実に生き長らえるための―― 延命ポン。&
85.第九話 魂を削る 今日はプロリーグ第2節。「来たわね、井川プロ」「…お手柔らかに。成田先輩」 今節は打って変わってミサトの見せ場だった。 ミサトは持ち前の守備力を発揮して第2節の出だし3半荘は一度も放銃しなかった。それどころか親っ被りだって2000点しかしていない。ミサト曰く「ツモられ貧乏で負けた。は、言い訳。本物の守備職人は極力ツモらせないようにコントロールするもの」だと言う。 簡単な例を言えば自分は南家で北家からリーチを受けた。手の中には①②②③とあるとし②はリーチ宣言牌だとしたら。 とりあえずの②落とし?いやいや、②を二連打して①の横移動狙いとするのがツモらせない打ち筋。そのくらいがまあ、高い守備力の手順だと思う。 だが、ミサトならこの②をポンすることだろう。そして、鋭く読んでベタオリに徹する。これがミサトの守備だ。 ①がワンチャンスであることをいち早く全員に知らせる為なら鳴いてしまうのである(ワンチャンスなら、と①を勝負してくれる人がいるかも知らないから)それにより、一発もついでに消す。これがミサト流だ。だが、それは高い推理力を持っているから詰まないという自信に裏打ちされており誰にでも可能なものではない。 ミサトの麻雀は本当に『私は放銃しない』という自信に満ち溢れていて格好いいのである。 第2節のミサトは放銃ゼロのアガリ多数で怒涛の3連勝。ひとつひとつは堅実そのものだったがそれを何回も積み重ねて相手に付け入る隙を与えなかった。 そして四回戦「このまま終われない。私にも意地がある!」 そこから成田メグミの猛連荘が始まった。 一方、カオリはひたすら耐える麻雀だった。上手に打てていたが守るだけで精一杯。牌が揃わないことには